「忘年会(ぼうねんかい)」とは、その一年の間に起こった大変だった出来事(できごと)や苦労したことなどを忘れるために、年末に行なわれる宴会を指します。「忘れる」というよりは、「水に流す」「やってくる新しい年に向けてリセットする」と表現した方が分かりやすいでしょう。過去を悔やんでばかりいないで、また一からがんばろうという気持ちで、会食(かいしょく)をします。 |
「忘年会」ということばが出てくる有名な明治時代の小説は何でしょうか? |
正解はこのビデオの最後に紹介します。 |
忘年会には、職場などの仲間が集まる企業型(きぎょうがた)と、友人同士や様々なプライベートなグループによる個人型があります。どちらの場合でも、12月に、その年の出来事を振り返りながら愉快(ゆかい)に飲食します。「コミュニケーション」を言い換えた「飲みニケーション」ということばがあるように、日本人は酒を飲み、おいしい料理に舌鼓(したつづみ)を打ちながら親交を深めることを好みます。ですから、年末には全国的に忘年会が行なわれるのです。 |
一年を振り返ると、良かったことや嬉しかったことだけでなく、当然、つらかったことやうまくいかなかったことも思い出されます。忘年会では、参加者全員が「今年もいろいろあったが、新しい年もまた元気にがんばろう」という気持ちを共有することが大切なのです。仕事や趣味などが同じ仲間と、新たな年に向けて活力を充電するのです。 |
11月頃から、忘年会の会場となる居酒屋などの店先(みせさき)には、「忘年会承(うけたまわ)ります」というような張り紙(はりがみ)が見られるようになります。また、Webサイトやグルメ雑誌では、忘年会特集が組まれたりします。忘年会は、飲食店にとって絶好の書き入れ時(かきいれどき))なのです。 |
「としわすれ」と書かれている最古の文献は14-15世紀頃の室町時代のものだそうです。年末に催(もよお)された連歌会(れんがかい)の後、酒を飲んで盛り上がったと記されています。 |
さて、ここでクイズの答えです。 |
「忘年会」ということばが出てくる有名な明治時代の小説は何でしょうか? |
正解は、夏目漱石の『吾輩は猫である』です。「向島(むこうじま)の知人の家で忘年会兼(けん)合奏会がありまして」と書かれていますが、「忘年会」ということばが特に注釈もなく使われています。このことから、漱石が生きた明治時代には忘年会がかなり普及していたと考えられます。 |
いかがでしたか? |
はじめて知ったことはありましたか。 |
皆さんの国でも、一年の終わりにパーティをしますか。 |
是非、JapanesePod101.comのコメント欄で教えてくださいね。 |
それでは、また! |
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