INTRODUCTION |
Naomi: こんにちは、ナオミです。 |
Chris: Chris here. “Ever Been in an Absolutely Unbearable Situation in Japan?” |
Naomi: 今回は、久しぶりに会社での会話です。 |
Chris: そういえば、ずっと会社での会話はありませんでしたね。 |
Naomi: そうですね。今回の会話の前半では、桜井さんという男の人と、大野さんという女の人が話しています。桜井さんは大野さんの上司のようですね。 |
そして、会話の後半は桜井さんと二宮(にのみや)さんが話しています。この2人は同僚なんですが、きっと同じぐらいの時期に会社に入ったんでしょうね。お互いにカジュアルに話しています。 |
Chris: このレッスンの文法のポイントは何ですか? |
Naomi: 「たまらない」「仕方ない」「ならない」という3つの表現を勉強します。 |
Chris: In this lesson, you'll learn three similar phrases, which are "たまらない", "仕方ない" and "ならない". |
This conversation takes place at an office. The first half of the conversation is between Ms.Ohno and Mr. Sakurai, who is Ms. Ohno's boss. |
The second half of the conversation is between 2 colleagues, Mr. Sakurai and Mr. Ninomiya. They're speaking casually, so we can assume that they are 同期, which means they joined the company at the same time. |
Naomi: では、聞いてみましょう。 |
DIALOGUE |
桜井: 退職? |
大野: はい。いろいろ考えて、それが一番いいかと……。 |
桜井: 君のような優秀な人が辞めてしまうのは残念でならないよ。何かあった? |
大野: いえ。何もありません。 |
桜井: 参ったよ。うちの課の子が退職したいって言い出してさ。 |
二宮: 大野綾乃(あやの)だろ? |
桜井: なんだよ。知りあいか? お前も隅に置けないな。 |
二宮: 実は、俺の従兄弟(いとこ)の嫁さんなんだよ。 |
彼女は、五味のアシスタントだろ? |
五味は自分のミスを全部彼女のせいにして責めるから、腹が立って仕方なかったらしい。 |
桜井: 五味か……。そう言えば、あいつのアシスタントはすぐ辞めるな。 |
二宮: 五味は角(かど)のある言い方ばかりするから、彼女は会社に来るのが嫌でならなかったそうだよ。 |
桜井: なんで教えてくれなかったんだよ。 |
二宮: 「誰にも言わないで」って言われてたんだ。 |
まあでも、彼女の転職先は、うちの取引先だ。 |
桜井: え? |
二宮: 彼女、うちのお客さんのとこに転職するんだ。 |
五味は怖くてたまらないだろうな。 |
Naomi: 今度は英語の訳を一緒に聞いてみましょう。 |
桜井: 退職? |
Chris: You're quitting? |
大野: はい。いろいろ考えて、それが一番いいかと……。 |
Chris: Yes. Having thought it over, I think that's probably the best... |
桜井: 君のような優秀な人が辞めてしまうのは残念でならないよ。 |
Chris: Having someone as talented as you quit is a terrible shame. |
桜井: 何かあった? |
Chris: Did something happen? |
大野: いえ。何もありません。 |
Chris: No. Nothing. |
桜井: 参ったよ。うちの課の子が退職したいって言い出してさ。 |
Chris: I ask you. One of the kids from my division suddenly says she wants to quit. |
二宮: 大野綾乃だろ? |
Chris: You mean Ayano Ōno, right? |
桜井: なんだよ。知りあいか? お前も隅に置けないな。 |
Chris: What? You know her? I shouldn't underestimate you, huh. |
二宮: 実は、俺の従兄弟の嫁さんなんだよ。 |
Chris: Truth is, she's my cousin's wife. |
彼女は五味のアシスタントだろ? |
She's Gomi's assistant, right? |
二宮: 五味は自分のミスを全部彼女のせいにして責めるから腹が立って仕方なかったらしい。 |
Chris: Gomi lays the blame on and criticizes her for all his own mistakes, and apparently she's completely furious about it. |
桜井: 五味か……。そう言えば、あいつのアシスタントはすぐ辞めるな。 |
Chris: Gomi, huh... Come to think of it, his assistants always quit soon after they start, don't they? |
二宮: 五味は角のある言い方ばかりするから、彼女は会社に来るのが嫌でならなかったそうだよ。 |
Chris: Gomi always has a sharp tongue, so apparently she just hated coming to work. |
桜井: なんで教えてくれなかったんだよ。 |
Chris: Why didn't you tell me? |
二宮: 「誰にも言わないで」って言われてたんだ。 |
Chris: Because she said to me, "Don't tell anyone." |
二宮: ま、でも、彼女の転職先はうちの取引先だ。 |
Chris: But anyway, you know her new job is at one of our client companies. |
桜井: え? |
Chris: Huh? |
二宮: 彼女、うちのお客さんのとこに転職するんだ。 |
Chris: She's going to work for one of our customers. |
二宮: 五味は怖くてたまらないだろうな。 |
Chris: I bet Gomi's absolutely terrified. |
POST CONVERSATION BANTER |
Chris: 職場の人間関係って難しいですね~。 |
Naomi: こういう問題って、やっぱりアメリカでもあるんですか? |
Chris: うーん、もちろんたくさんあると思いますね(笑) |
やっぱりどの国でも、ちょっと何て言うんですか、あんまりよくないボスとか、いるんじゃないですかね。 |
Naomi: あ~それはまあ、一緒なんですね。どの国でもね~。 |
ちょっと、ネットで「会社を辞める理由」というのを調べてみたんです。 |
Chris: おお、気になりますね~。 |
Naomi: 第3位は、仕事がおもしろくない。仕事に変化がない。 |
Chris: あ~。仕事がつまらないのは最悪ですねえ。すごい分かります。 |
Naomi: そうですよね。毎日することですからね。第2位は、給料が不満 |
Chris: うーん、これは……(笑) 不満がない人はいないと思いますけどね(笑) |
Naomi: (笑)鋭いですね。確かにね。給料は高ければ、高いほどいいですもんね? |
Chris: うん。 |
Naomi: でも、まあ、もしかしたら「こんなに私一生懸命働いているのに、お、このお給料? 低すぎる!」とか「クリスさんより私のほうが仕事しているのに、クリスさんのほうがお給料が高い!」とか、そういう、なんかジェラシーみたいなものがあるかもしれないですね。 |
Chris: それは、ありえそうですね。で、1位は? |
Naomi: じゃ、ドラムロールお願いします。 |
Chris: ドゥルルルルルル…… |
Naomi: (笑) やってくれたんですね。 |
Chris: すみません(笑) |
(ドラムロール) |
Naomi: 1位は、上司との人間関係! |
Chris: へー。まさに、今回のダイアログですね。 |
Naomi: そうですね~。どうでしょう、クリスさん。まあやっぱり、上司との人間関係、大切だと思います? |
Chris: うん。大切だと思いますね。やっぱりその、職場の雰囲気がそれで始まるんですかね。 |
Naomi: そうですね。上司との人間関係と、あと、職場の雰囲気なんていうのは、とても大切かもしれないですね。 |
Chris: はい。 |
Naomi: もちろん、ま、お給料もね(笑) |
Chris: 給料ももちろん。 |
Naomi: 大切ですけどね(笑) |
Chris: 大事ですかね(笑) |
Naomi: そうですね。1、2どちらかになりますよね。 |
Chris: ですよね。 |
Naomi: はい。じゃあ、単語に入っていきましょう。 |
VOCAB LIST |
Chris: 最初の単語は? |
Naomi: 辞める [natural native speed] |
Chris: to quit, to retire;V2 |
Naomi: 辞める [slowly - broken down by syllable]、辞める [natural native speed] |
Naomi: 退職 [natural native speed] |
Chris: retirement |
Naomi: 退職 [slowly - broken down by syllable]、[natural native speed] |
Naomi: 転職 [natural native speed] |
Chris: change of occupation |
Naomi: 転職 [slowly - broken down by syllable]、転職 [natural native speed] |
Naomi: 隅 [natural native speed] |
Chris: corner |
Naomi: 隅 [slowly - broken down by syllable]、隅 [natural native speed] |
Naomi: 取引先 [natural native speed] |
Chris: customer, client |
Naomi: 取引先 [slowly - broken down by syllable]、取引先 [natural native speed] |
VOCAB AND PHRASE USAGE |
Naomi: では、レッスンに出てきた単語や表現を確認しましょう。 |
Chris: 最初の表現は何ですか? |
Naomi: 隅に置けない |
Chris: 「隅」は corner 。で、「置けない」は「置く」 "to place" の negative potential form ですね。 |
Naomi: そうです。 |
Chris: 「隅に置くことができない」という意味ですか? |
Naomi: ああ、うん。まあ、そうですね。「隅」には「目立たない場所」とか「真ん中でないところ」という意味もあります。だから、「隅に置けない」というのは、「目立たない場所には置けないくらいすごい、あなどれない」なんて意味なんですね。 |
Chris: じゃ、英語だと "not to be underestimated"ですね。 |
Naomi: そうですね。その人が、自分が思っていたよりも、知識や経験があった場合によく使います。 |
Chris: うん。So this 隅に置けない is used when someone's knowledge, experience and so on is better than you initially thought. |
Naomi: ダイアログでは桜井さんが二宮さんに、「お前も隅に置けないな~」 |
Chris: I shouldn’t underestimate you, huh? |
Naomi: ...と言っていましたね。 |
Chris: じゃ、次の表現は何ですか? |
Naomi: 「角(かど)のある言い方」あるいは「角がある言い方」 |
Chris: Has a sharp tongue. |
Naomi: 「角」は「とがって突き出た部分」という意味なんですね。触ったりぶつけたりすると痛いですよね。 |
「角のある言い方」の「角」は、「とげ」"thorn"と同じようなことです。つまり、「人が傷つくような言い方」「きつい言い方」「意地悪な言い方」ということです。 |
Chris: うーん。So 角(かど) indicates a sharp pointy part where lines or surfaces meet and that could hurt people or people's feeling in this case. |
Naomi: ダイアログだと、二宮さんは「五味さんが角のある言い方をする」と言っていました。 |
Chris: In the dialogue, Mr. Ninomiya said that Mr.Gomi always has a sharp tongue, meaning he's always saying things in a harsh manner. |
ナオミ先生。 |
Naomi: はい。 |
Chris: 「すみ」と「かど」は両方とも英語だと"corner"ですが、日本語だと意味が違いますかね? |
Naomi: あ~、いいポイントですね。「隅」と「角」はちょっと意味が違うんですよね。で、この単語の意味の違いは、PDFに詳しく書いておきましたので、必ず読んで置いてくださいね。では、文法に入りましょう。 |
Lesson focus
|
Naomi: このレッスンでは、「て・たまらない」「て・仕方ない」「て・ならない」の使い方を勉強します。 |
Chris: ほとんど一緒の意味ですね。 |
Naomi: そうですね。 |
Chris: 「うれしくてたまらない」「うれしくて仕方ない」「うれしくてならない」 |
全部、"I'm extremely happy"という意味ですね。 |
Naomi: そうですね。でも、じゃあ、これはどうでしょう? 今から3つ文章を言います。1つだけ不自然な文章があります。 |
1)彼女のことが好きでたまらない。 |
2)彼女のことが好きで仕方ない。 |
3)彼女のことが好きでならない。 |
Chris: 3番の「好きでならない」が、少し変に聞こえますね。 |
Naomi: おお、さすが、クリスさん。でも、どうしてでしょうね? |
Chris: うーん……何となく(笑) |
Naomi: 何となく(笑) いい理由ですね。じゃあ、その理由をこのレッスンでは勉強します。 |
まず、「て・たまらない」と「て・仕方ない」のニュアンスは、ほとんど一緒です。まあ「たまらない」というのは「我慢できない」"I can't stand it"という意味ですから、仕方ない "I don't know what to do about it" よりは、強くなります。 |
Chris: なるほど~。じゃ、「たまらない」のほうが強いですね。 |
Naomi: そうです。 |
Chris: なんか、彼女のことを好きでたまらない! みたいな、すごくpassionate な感じですよね。 |
Naomi: ああ、そうですね(笑) でも、まあ、この違いはあまり気にしなくていいかと思いますね。じゃあ、例文言いますね。 |
頭が痛くてたまらなかったので、家に帰った。 |
Chris: My head hurt unbearably, so I went home. |
これは、「頭が痛くて仕方なかったので、家に帰った」でも大丈夫ですね。 |
Naomi: あ、はい。もちろんです。じゃ、次に「て・ならない」を勉強しましょう。 |
「て・ならない」は、感情や体の調子を表す形容詞と一緒に使います。 |
Chris: 例えば? |
Naomi: うれしくてならない。 |
Chris: "I'm extremely happy." |
Naomi: 残念でならない。 |
Chris: "That's such a shame." |
Naomi: でも、1つだけ気を付けてください。「痛い」「好き」「嫌い」「つまらない」この4つとは一緒には使えないんです。 |
Chris: ならない cannot follow certain adjectives, such as 好き, 嫌い, 痛い and つまらない. |
Naomi: 「て・ならない」は動詞とも一緒にもきますけど、だいたい感情を表すセットフレーズと一緒に使いますね。 |
例えば「腹が立つ」"to get angry”と一緒に使って、「腹が立ってならない」"can't help feeling angry”。気になる "to wonder about something"と一緒に使って、「気になってならない」"can't get one's mind off something" とか。 |
Chris: なるほど。じゃあ、例文お願いします。 |
Naomi: 理由もなく上司に怒られて、腹が立ってならなかった。 |
Chris: I was yelled at by my boss for no reason, and I got really angry. |
「腹が立ってたまらなかった」とか「腹が立って仕方なかった」でも大丈夫ですね。 |
Naomi: 大丈夫です。「て・たまらない」とか「て・仕方ない」よりも、「ならない」のほうが、少しだけ冷静な感じはしますね。 |
Chris: うん、なるほど。逆に言うと、「たまらない」とか「仕方ない」は感情的なんですね。 |
Naomi: そうですね。じゃ、最初の質問に戻りましょう。3つの文章を今から言います。不自然なのはどれですか? |
1)彼女のことが好きでたまらない。 |
2)彼女のことが好きで仕方ない。 |
3)彼女のことが好きでならない。 |
Chris: 3番の「好きでならない」が変ですね。 |
Naomi: はい。そして、それはどうして? |
Chris: 「ならない」は「好き」や「嫌い」とかとは一緒に使えないからですね。 |
Outro
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Naomi: そのとおりです。じゃ、このレッスンはこの辺にしましょう。 |
Chris: さようなら。 |
Naomi: また次回。 |
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