INTRODUCTION |
Naomi: こんにちは、ナオミです。 |
Kat: Kat here. “I'd Rather Be Safe than Sorry During an Earthquake in Japan” 今回のテーマは「地震」ですね~。 |
Naomi: そうですね。日本は地震が多いですからね。日本に来る人に、ぜひ知っておいてもらいたい基本が、今回のダイアログで紹介されます。 |
Kat: 今回の会話は、誰と誰の会話ですか? |
Naomi: 学校の先生と生徒たちの会話です。「避難訓練」をする前に、先生が説明をしています。 |
Kat: 文法ポイントは何ですか? |
Naomi: 「むしろ」と「かえって」です。 |
Kat: In this lesson, you'll learn the difference between two adverbs むしろ and かえって, which both mean “rather.” The lesson conversation takes place at school, where a teacher is giving some instructions before a disaster drill. |
Naomi: それでは、聞いてみましょう。 |
DIALOGUE |
先生: 「地震・雷・火事・親父(じしん・かみなり・かじ・おやじ)」って聞いたことありますか。 |
これは、昔の人が怖いと思っていた4つのものですが、この中の、地震と火事の対処の仕方を覚えておきましょう。 |
じゃあまず、グラッと揺れたらどうしますか? |
生徒1: 机の下に隠れます。 |
先生: そうですね。机がなかったら、頭を洋服やカバンで覆います。 |
先生: ほかには? |
生徒2: 窓が割れるかもしれないので、窓から離れます。 |
生徒1: ドアを開けます。 |
先生: そのとおり。逃げ道を確保するためですよね。 |
生徒1: 外に出ます。 |
先生: うーん。地震が起きているときにすぐに外に飛び出すのは、かえって危険ですよ。 |
生徒2: でも、建物が壊れるかもしれないし……。 |
先生: 古い建物はそういうこともあります。 |
でも、日本の新しい建物や学校なら、中にいたほうが、外に出るより、むしろ安全なんです。 |
大きな街では、地震で壊れた看板や窓ガラスなどが落ちてきます。だから、まだ揺れている時に外に出ると、かえって危ないんです。 |
揺れが止まってから、あわてず、騒がずに避難してください。 |
それでは、避難訓練を始めましょう。 |
Naomi: 次は英語の訳と一緒に聞いてみましょう。 |
先生: 「地震・雷・火事・親父」って聞いたことありますか。 |
Kat: Have you ever heard the phrase "Earthquakes, thunder, fires, fathers?" |
先生: これは、昔の人が怖いと思っていた4つのものですが、この中の、地震と火事の対処の仕方を覚えておきましょう。 |
Kat: These are four things that people in the past used to be scared of, but let's learn how to deal with two of them…earthquakes and fires. |
先生: じゃあまず、グラッと揺れたらどうしますか。 |
Kat: All right, first of all, what would you do if things suddenly started shaking? |
生徒1: 机の下に隠れます。 |
Kat: Hide under the desk. |
先生: そうですね。机がなかったら頭を洋服やカバンで覆います。 |
Kat: That's right. If there isn't a desk, then you protect your head with your clothing, a bag, et cetera. |
先生: ほかには? |
Kat: Anything else? |
生徒2: 窓が割れるかもしれないので、窓から離れます。 |
Kat: The windows might break, so you should move away from them. |
生徒1: ドアを開けます。 |
Kat: Open the door. |
先生: そのとおり。逃げ道を確保するためですよね。 |
Kat: Exactly. In order to ensure you have an escape route, right? |
生徒1: 外に出ます。 |
Kat: Go outside. |
先生: うーん。地震が起きているときにすぐに外に飛び出すのは、かえって危険ですよ。 |
Kat: Hmm. When an earthquake is going on, it's actually more dangerous to immediately rush outside. |
生徒2: でも、建物が壊れるかもしれないし……。 |
Kat: But the building might collapse, so... |
先生: 古い建物はそういうこともあります。 |
Kat: That's a possibility with older buildings. |
先生: でも、日本の新しい建物や学校なら、中にいたほうが外に出るより、むしろ安全なんです。 |
Kat: However, with newer buildings and schools and such in Japan, it's actually safer to be inside them than to go outside. |
先生: 大きな街では、地震で壊れた看板や窓ガラスなどが、落ちてきます。 |
Kat: In big towns, billboards that have been damaged by the earthquake, as well as window glass and such, can come falling down. |
先生: だから、まだ揺れているときに外に出ると、かえって危ないんです。 |
Kat: So, to go outside while things are still shaking is actually more dangerous. |
先生: 揺れが止まってから、あわてず、騒がずに避難してください。 |
Kat: Once the shaking has stopped, please evacuate without panicking and without making lots of fuss. |
先生: それでは、避難訓練を始めましょう。 |
Kat: Now, let's begin the disaster drill. |
POST CONVERSATION BANTER |
Naomi: 避難訓練 ”disaster drill”の会話でした。まあ、リスナーの皆さんはご存じだと思いますけど、日本は、犯罪もぼったくり”rip-off" も少ないですけど、地震が多いんですよね~。 |
なので、日本に来るときには、少し覚悟をしたほうがいいかもしれません。 |
Kat: そして、2011年の3月11日に大きな地震がありましたね。ナオミ先生はあの時、どこにいたんですか? |
Naomi: 東京の赤坂のオフィスにいましたね。すごい揺れました~。 |
そういえば、キャットさんはすっごくラッキーだったんですよね。 |
Kat: そうなんですよ。あの時、私はたまたま旅行で、オーストラリアにいましたから。 |
ところで、地震のときは外に出ないほうがいい……って本当なんですか? |
Naomi: まあ、そういうふうに言われていますね。 |
建物によると思います。もし、新しい建物なら「免震構造(めんしんこうぞう)」"quake-absorbing structure"、「耐震構造」"earthquake-resistant structure "になっているものが多いので、安全だと言われています。 |
ただ、私はね、責任はもてないので、皆さん、あの絶対、自分の判断で避難してください(笑) |
Kat: そうですね。We can't take full responsibility for suggesting that you stay inside during an earthquake, so please, everybody, listen to your instincts in that situation. |
Naomi: いいアドバイスですね(笑) キャットさんは、あの地震のあとすぐに、旅行先のオーストラリアから、日本に直接帰ってきたんですよね。スコットランドのキャットさんのご家族とかお友達とか、ずいぶんキャットさんのことを心配したんじゃないですか? |
Kat: まあ、そうですね。すごい心配してくれた人が多かったんですけど、海外のマスコミは原発などについて無責任なことばかりを言っていましたので、心配していたみたいです。 |
Naomi: 無責任なこと? |
Kat: はい。そうだと思います。海外のニュースは「日本全滅!?」というふうな大げさな言い方が目立ってました。 |
Naomi: ああ、そうなんですか。日本でも、あのときいろいろな嘘(うそ)が出回っていました。ああいうときは、どれが正しい情報で、どれが正しくない情報なのかっていうのは私たちには分からないので、すごく怖いなぁと思いましたね。 |
それでは、単語を確認していきましょう。 |
VOCAB LIST |
Kat: OK. So now let’s take a look at vocabulary for this lesson. |
Kat: The first word we shall see is |
Naomi: 確保 [natural native speed] |
Kat: guarantee, maintain, secure, ensure |
Naomi: 確保 [slowly - broken down by syllable]、確保 [natural native speed] |
Kat: And next. |
Naomi: 対処 [natural native speed] |
Kat: deal with, cope |
Naomi: 対処 [slowly - broken down by syllable]、対処 [natural native speed] |
Kat: And next. |
Naomi: 避難訓練 [natural native speed] |
Kat: disaster drill |
Naomi: 避難訓練 [slowly - broken down by syllable]、避難訓練 [natural native speed] |
Kat: Next. |
Naomi: 覆う [natural native speed] |
Kat: to cover, to hide;V1 |
Naomi: 覆う [slowly - broken down by syllable]、覆う [natural native speed] |
Kat: And finally. |
Naomi: あわてる [natural native speed] |
Kat: to panic, to lose one's cool, to be flustered |
Naomi: あわてる [slowly - broken down by syllable]、あわてる [natural native speed] |
VOCAB AND PHRASE USAGE |
Naomi: では、今回のダイアログに出てきた単語や表現を確認しましょう。 |
Kat: ダイアログの中の先生が、面白いフレーズを言っていましたね。 |
Naomi: あ~、地震・雷・火事・親父(じしん・かみなり・かじ・おやじ)。 |
Kat: 地震・雷・火事・親父??(笑) |
「地震」は"Earthquake" 「雷」は"thunder" 「火事」は"fire”、親父 は"one's father" |
Naomi: ダイアログでも言っていましたが、この4つを、昔の人は怖いと思っていたんですね。 |
Kat: 地震と雷と火事は怖いですけど、親父……怖いですか?(笑) 私のお父さんは優しいですけど?(笑) |
Naomi: この親父は、キャットさんが言ったように「お父さん」という意味ですよね。今は変わってきていると思うんですけど、「お父さん」というのは、家で一番権限がある人だったんですね。逆らうことができない人なので、怖いと考えられたんだと思います。 |
Kat: なるほど~。じゃあ、今とちょっと違うんですね。 |
Naomi: そうですね。今はお父さん優しいですからね(笑)。このレッスンでは、けっこう難しい単語が出てきていましたよね。 |
Kat: そうですね。対処(たいしょ)・確保(かくほ)・避難(ひなん)・訓練(くんれん)は難しいですね。 |
Naomi: 難しいですね。この単語の意味は、さっき単語のセクションで言いましたけど、ここではクイズをしながら、意味を復習しませんか? |
Kat: いいアイディアですね。 |
Naomi: では、私が、辞書の定義"definition"を読みますので、この4つの単語のどれかを当ててください。 |
Kat: おもしろそうですね、今回は。 |
Naomi: 確実に手に入れること。しっかりと保つこと。 |
1)対処 2)確保 3)避難、どれでしょう? |
Kat: (wait for 5 sec.) もう一度お願いします。 |
Naomi: 確実に手に入れること。保つこと。 |
Kat: So this means to obtain something completely, or to keep something. |
Naomi: うーん、答えは何だと思います? |
Kat: 答えは2。確保"secure"ですよね? |
Naomi: そうです。じゃ、次の問題です。 |
災害を避けて、安全な場所へ移動すること。 |
1)対処 2)訓練 3)避難、さあどれでしょう? |
Kat: (wait for 5 sec.) もう一度お願いします。 |
Naomi: はい。災害を避けて、安全な場所へ移動すること。 |
Kat: So this one means, avoid disaster by moving to a safe place. |
Naomi: うーん、どれでしょうね。 |
Kat: で、答えは~3番! 避難"evacuation"ですよね。 |
Naomi: そうです。じゃ、文法に入りましょう。 |
Lesson focus
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Naomi: 今回は、「むしろ」と「かえって」の違いを勉強します。 |
Kat: 英語だと両方とも、"rather"という意味になってしまうと思うんですけど。 |
Naomi: そうですね。じゃ、ちょっとクイズをしてみましょう。2つの文章を今から言いますので、聞いてください。 |
1)薬を飲んだら、むしろ気分が悪くなってしまった。 |
2)薬を飲んだら、かえって気分が悪くなってしまった。 |
1が正しいですか? 2が正しいですか? それとも、両方正しいですか? どうでしょう。キャットさん。 |
Kat: うーん、意味は"I took medicine and felt even worse"ですよね? うーん、両方とも正しいとは思うんですけど…….? |
Naomi: うん。さすがですね、そのとおりです。両方とも正しい文章でした。 |
Kat: え~、良かった~。 |
Naomi: じゃあ、こんな文章はどうでしょう? |
1)彼は天才というよりは、むしろ努力家だ。 |
2)彼は天才というよりは、かえって努力家だ。 |
正しいのは1ですか? 2ですか? それとも、両方正しいですか? どうでしょう、キャットさん? |
Kat:うーん。2はちょっと不自然に聞こえますよね~。1の意味は"He is a hard worker rather than a genius"ですね。 |
Naomi: すごい。そのとおりです(笑) 1は正しいんですけど、2は実は間違っているんですね。ちょっと不自然なんです。 |
リスナーの皆さんは、これはどうしてだか分かりますか? このレッスンではそれを勉強します。 |
Kat: じゃあまず、「むしろ」からお願いします。 |
Naomi: 「むしろ」は2つを比べるときに使います。例えば、「あれよりもこれがいい」とかね。 |
Kat: よく、「AよりむしろB」"B rather than A" という形で使いますよね。 |
Naomi: はい。 |
Kat: ”Actually" is also often used to translate this into English. |
Naomi: そうですね。例えば、 |
私はワインより、むしろぶどうジュースのほうが好きだ。 |
Kat: I actually prefer grape juice to wine. |
Naomi: 六本木に行くなら、ここから電車に乗るより、歩いたほうがむしろ早い。 |
Kat: If you're going to Roppongi, it would be actually faster to walk rather than taking a train from here. |
Naomi: じゃあ、今度はリスナーの皆さんに文章を作ってもらいましょう。キャットさんが今から英語を言いますので、皆さんは日本語に訳してください。もちろん、「~より、むしろ」を使ってください。 |
Kat: OK? いきますよ。 |
I’d actually rather work at a small company than a big company. |
(wait for 10sec) ナオミ先生、答えは? |
Naomi: 訳し方はたくさんあると思うんですけどね、1つの例は、「大きい会社より、むしろ小さい会社で働きたい」。 |
Kat: なるほど。次に「かえって」の説明をお願いします |
Naomi: 「かえって」は「予想とは反対に」とか、「思ったのとは逆に」という意味です。 |
Kat: じゃあ、例文お願いします。 |
Naomi: はい。薬を飲んだら、かえって気分が悪くなってしまった。 |
Kat: I took medicine and felt even worse, which was contrary to my expectation. |
Naomi: そうです。もう1つ例文言いますね。 |
4月になったら、かえって寒くなってしまった。 |
Kat: It actually became cooler when April came (contrary to my expectation). |
Naomi: そうです。じゃあ、キャットさんが言う英語を「かえって」を使って、日本語に訳してみてください。 |
Kat: じゃあ、いきますよ。Drinking alcohol everyday is actually good for your health. |
(wait for 10sec) じゃあナオミ先生、答えは何でしょう? |
Naomi: アルコールを毎日飲むことは、かえって 体にいい。 |
Kat: 皆さん、分かりました? では次に、「むしろ」と「かえって」の違いを説明してください。 |
Naomi: 「かえって」は「予想とは反対に」「思ったのとは逆に」という意味なので、自分の意見や好みを言うときには使うことができないんです。 |
Kat: So as Naomi-sensei just said, かえって and むしろ are often interchangeable; however, since かえって means "on the contrary to one's expectations," かえって cannot be used in the context of one's desire, preference or judgment. |
Naomi: 例えば、「ハワイよりむしろ沖縄に行きたい(Kat: I'd actually rather go to Okinawa than Hawaii.)」と言うことはできますけど、この「むしろ」を「かえって」に変えることはできないんですよ。 |
Kat: That's because 行きたい indicates the speaker's preference, right? |
Naomi: そうです。あとは、こんな文章もあります。 |
「彼は天才というよりは、むしろ努力家だと思う(Kat: "He's a hard worker, rather than a genius”)」。これも、この「むしろ」を「かえって」に変えることはできないんですよね。 |
Kat: これは意見だからですね。 |
Naomi: そうですね。「~と思う」と言っていますからね。 |
Kat: That sentence indicates the speaker's opinion. So you can’t use かえって instead of むしろ. |
Naomi: ということで、このレッスンでは「むしろ」と「かえって」の違いを勉強しました。 |
Kat: 本当に細かい違いなんですけど、大切なのでPDFをよく読んでくださいね! |
Naomi: そうですね。本当にちっちゃいんですけどね(笑) 間違えるとちょっとだけ変なんですよね。 |
Outro
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Naomi: それでは、今回はこの辺で。じゃあ、さようなら! |
Kat: さようなら! |
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