INTRODUCTION |
Natsuko: こんにちは、なつこです。 |
Naomi: なおみです。 |
Chris: Chris here. You Don’t Have to Shoulder the Burden of Teaching Me Japanese. |
Naomi: 今回は、肩 (shoulder) を使ったイディオムを勉強しましょう。 |
Chris: In this lesson you'll learn some expressions using the word 肩, meaning "shoulder." |
Natsuko: あ、このレッスンは、イディオムなんですねー。イディオム、久しぶりですね。 |
Naomi: あ、そうですね。このSeason4では、「頭」と「歯」を使ったイディオムを勉強しましたね。 |
今回は「肩」です。 |
Natsuko: 今回の会話は、二人の男性の会話です。 |
Naomi: この二人は同僚のようです。 |
Natsuko: はい。で、おそらく年齢が近いか、あるいは同じ時期に会社に入ったんでしょうね。お互い、カジュアルな言葉で話をしてます。 |
Chris: This conversation is between two colleagues. They are using casual Japanese. |
Natsuko: では、さっそく聞いてみましょう。 |
DIALOGUE |
神田:おい、佐久間さんの話聞いたか? |
大塚:ああ、聞いたよ。肩たたきにあったんだって? |
あの人、借金も結構あるって話しだから、大変だろうな。 |
神田:借金? |
大塚:知り合いの借金の保証人になってて、借金を肩代わりさせられたらしいんだ。 |
神田:えー、そんなことがあったんだぁ。気の毒だなぁ。 |
(ため息)そもそも、なんで、佐久間さんがリストラ対象になるんだ? |
肩を並べる人がいないくらい優秀な営業マンだったのに。 |
大塚:それは、昔の話だよ・・・。 |
結局、佐久間さんは、時代が変わって営業の仕方も変わったのに、それについていけなかったんだよ。 |
神田:だから仕方ない・・・って言うのか? |
そんな薄情なこと、よく言えるな。 |
大塚:ま、神田は佐久間さんに世話になったから、肩を持ちたくなるのはわかるけど。。。 |
会社だって、利益出さなきゃいけないんだからさ、しょうがないんじゃないか。 |
神田:は?お前、会社の肩を持つ気か?信じられねぇ! |
大塚:そんなこと言うなら、お前が何かしてやったらいいだろう。 |
佐久間さんの借金を肩代わりするとか、次の就職先をみつけてあげるとか。 |
神田:わかったよ。何とかしてみせるよ! |
Natsuko: 次は、英語が入ります。 |
神田:おい、佐久間さんの話聞いたか? |
Chris: Hey, did you hear about Mr. Sakuma? |
大塚:ああ、聞いたよ。肩たたきにあったんだって? |
Chris: Yeah, I did. They've asked him to quit, right? |
大塚:あの人、借金も結構あるって話しだから、大変だろうな。 |
Chris: There are talks about him having a lot of debt...must be tough. |
神田:借金? |
Chris: Debt? |
大塚:知り合いの借金の保証人になってて、借金を肩代わりさせられたらしいんだ。 |
Chris: He was a guarantor to an acquaintance's debt, and it looks like he's shouldering that debt now. |
神田:えー、そんなことがあったんだぁ。気の毒だなぁ。 |
Chris: Really, that happened to him? That's a shame. |
神田:(ため息)そもそも、なんで、佐久間さんがリストラ対象になるんだ? |
Chris: (Sigh) To begin with, why is Mr. Sakuma a layoff target? |
神田:肩を並べる人がいないくらい優秀な営業マンだったのに。 |
Chris: He was such an excellent sales representative that nobody was on par with him. |
大塚:それは、昔の話だよ・・・。 |
Chris: That was before... |
大塚:結局、佐久間さんは、時代が変わって営業の仕方も変わったのに、それについていけなかったんだよ。 |
Chris: In the end, business methods changed with the times, and Mr. Sakuma just couldn't keep up. |
神田:だから仕方ない・・・って言うのか?そんな薄情なこと、よく言えるな。 |
Chris: So it can't be helped...is that what you're saying? How can you say such a cruel thing? |
大塚:ま、神田は佐久間さんに世話になったから、肩を持ちたくなるのはわかるけど。。。 |
Chris: Well, Kanda, you were helped out a lot by Mr. Sakuma, so I understand how you want to side with him, but... |
大塚:会社だって、利益出さなきゃいけないんだからさ、しょうがないんじゃないか。 |
Chris: the company needs to make a profit so I really don't think it can be helped. |
神田:は?お前、会社の肩を持つ気か? |
Chris: Huh? You're siding with the company? |
神田:信じられねぇ! |
Chris: I can't believe you! |
大塚:そんなこと言うなら、お前が何かしてやったらいいだろう。 |
Chris: If you're going to say things like that, then you should do something about it. |
大塚:佐久間さんの借金を肩代わりするとか、次の就職先をみつけてあげるとか。 |
Chris: Like shoulder Mr. Sakuma's debt or find him his next job. |
神田:わかったよ。何とかしてみせるよ! |
Chris: Fine. I will do something about it! |
POST CONVERSATION BANTER |
Naomi: この「神田さん」という人は、「頭」を使ったイディオムのレッスンの中にも出てきたみたいですね。 |
Natsuko: あれ、そうでしたっけ?なんか、すいません。すっかり忘れてましたけど。(笑) |
えーと、今回のストーリーでは、この「神田さん」の同じ会社の人で「佐久間さん」という人が「肩たたき」にあってしまったみたいですよ。 |
Naomi: 神田さんは佐久間さんにお世話になったみたいですね。 |
Natsuko: そうですね。佐久間さんが肩たたきにあったことを、すごい残念に思ってる感じでしたもんね。 |
Naomi: そうですね。 |
Chris: 肩たたき・・・といっても “to tap or hit one's shoulder or to massage one's shoulder” という意味ではないですよね。 |
Naomi: あああ~。「肩が痛いな~」というときに、肩をトントントンってたたく? |
Natsuko: う~ん、あの、もともとはそういう意味らしいんですけどね。 |
Chris: え?そうなんですか。 |
Naomi: 例えば上司が「君、会社を辞めなさい」と言ったら、すごい大きな問題になっちゃうじゃないですか。だから、こう、はっきりと言わず、肩をたたいて、マッサージしながら「ねえ、どう?いろいろ、家庭とか大変でしょ。無理して働かなくてもねぇ・・・」みたいな感じでちょっとヒントを出す。 |
Natsuko: そうですね。それがもとになっていて、今ははっきり「やめてください」と言われてやめるのも、同じように「肩たたき」と言われるようになったんです。「肩たたきにあう」とか「リストラにあう」というように使われます。 |
Chris: So 肩たたきにあう means "to be pressured into retirement" or "to be urged to retire" or "to be a target of layoff"? |
日本語のリストラは 英語の ”restructuring” から来ていますよね? |
Natsuko: そうなんですよ。ただ、日本語の「リストラ」は「経済的な理由で、人を会社から辞めさせる」という意味にほとんど限定されてますよね。「組織の再編」と言う意味では、あまり使われないです。 |
VOCAB AND PHRASE USAGE |
Naomi: では、ダイアログに出てきた単語を見ていきましょう。最初の単語は、 |
Natsuko: 「そもそも」 |
Chris: "in the first place" or "to begin with" |
Naomi: ダイアログでは、どんなふうに使われてました? |
Natsuko: 「そもそも、なんで、佐久間さんがリストラ対象になるんだ?」 |
Chris: “To begin with, why is Mr. Sakuma a layoff target?” |
Natsuko: 「何から始まったか」とか「根本的な原因は何か」とかについて話しているときに使うフレーズなんです。 |
Chris: So when you want to find out what fundamental problem was in the first place, そもそも is used. |
Naomi: 例えば、こんなふうに使います。「そもそも、なんでなつこさんは、翻訳家になろうと思ったんですか。」 |
Chris: “So Natsuko, why did you want to be a translator in the first place?” |
Natsuko: うーん。これ話すと長くなっちゃうんで。。。それは、また次の機会に。(笑) |
Naomi: はい。では、次の表現をお願いします。 |
Natsuko: 「~てみせる」 |
Naomi: 「みせる」は動詞 “verb” で、"to show" という意味ですよね。何かをして、相手にそれを見せるということなんですが・・・。じゃ、例文をお願いします。 |
Natsuko:「明日の試合に勝ってみせる。」 |
Chris: Literally "I'm going to win the game tomorrow and I'll show you that." but, perhaps more natural translation would be "I'll show you what I've got when I win the game tomorrow." |
Naomi: 「~てみせる」は、自分の強い意志(will, intention) を伝えるときに使います。 |
「勝ってみせる」というと、「勝とう!」と強く思っている・・・ということですもんね。 |
Natsuko: そうそう。だから、簡単に勝てる試合のときには言いません。 |
Naomi: あ、確かに。 |
Natsuko:「難しいものを乗り越えて」頑張って何かをしよう、と思っているときに「~してみせる」を使うんですね。 |
Chris: This expression ~てみせる is usually used when you want to express your strong will or intention to achieve some kind of goal. |
Naomi: ダイアログの文章をお願いします。 |
Natsuko: 「何とかしてみせるよ!」 |
Chris: “I'll show you.” |
あ、いい例文を思いつきました! |
Naomi: お?そうですか。お願いします。 |
Chris: 「肩を使ったイディオムを覚えてみせる。」 |
Natsuko: お、いいですね。がんばってください! |
Chris: がんばります! |
Lesson focus
|
Naomi: このレッスンのテーマは「肩」を使った、表現ですね。 |
Chris: The focus of this lesson is expressions using the word 肩, meaning "shoulder." |
Naomi: なつこさん、ダイアログに出てきた「肩」を使った表現を紹介してください。 |
Natsuko:「肩を並べる人がいないくらい優秀な営業マンだったのに。」 |
Chris: "He was such an excellent sales representative that nobody was on par with him." |
Naomi: まずこの「肩を並べる」という表現ですね。 |
Natsuko: これは、「並んで立つ」という意味ですが、 |
Chris: "to line up shoulders" |
Natsuko: これがイディオムとして使われると、「同じような力を持っている」とか「対等の地位にある」という意味になります。 |
Naomi: ちょっと想像してみると、ニュアンスがわかりやすいかもしれませんね。 |
Natsuko: そうですね。 |
Naomi:「肩が同じくらいの高さにある」と言うと、「同じくらいの身長」「背の高さだ」っていうことですよね。 |
Natsuko: そうですね。これが背の高さじゃなくて、「能力」(ability, skill)、「地位」(status) と考えれば、「肩を並べる」というのは、「同じくらいの力」という意味になりますよね。 |
Chris: 肩を並べる can be used with a literal meaning, as in 肩を並べて歩く, which means "to walk shoulder to shoulder." When it is used as an idiom, it has another meaning of "to be on a par with." |
Natsuko: さっき読んだダイアログの文章、「肩を並べる人がいないくらい優秀な営業マンだったのに。」をもう一回見てみましょう。この文章は「佐久間さん」について言っていて、佐久間さんのことを、「肩を並べる人がいないくらい優秀」だと言っています。 |
Naomi: 「肩を並べる人がいないくらい」というのは、「同じ能力の人がいないくらい」という意味。つまり「一番だ」という意味なんですよね。 |
Chris: To express the idea that someone is the best, you can use this phrase in the sentence structure like "[A] と肩を並べる人はいない" which means "there is no one that is on a par with [A]." |
Naomi: それではもう一つ、「肩」を使った表現を確認しましょう。 |
Natsuko:「肩を持つ」 |
Chris: これは「誰かの肩をつかむ」という意味ではないですよね。It doesn't mean "to hold or grab someone's shoulder", right? |
Natsuko: うーん、そう。違うんですね~。「肩を持つ」もイディオムです。これは、例えば対立している二人がいます。その場合に「どちらか一人の味方になる」とか「どちらかの意見に賛成して応援する」という意味になります。 |
Chris: So 肩を持つ is an idiom. And it means "to side with someone" or "to support someone" in a situation where two people or a group are arguing. |
Natsuko: だから、この場合の「肩」は「意見」とか「考え」という意味なんでしょうね。 |
Naomi: そうですね。でも、この「肩を持つ」というのは、客観的な意見や、論理的な理由で賛成するんじゃなくて、どちらかというと、主観的、感情的な理由で味方をしているような気がしません? |
Natsuko: うん、確かに!ちょっと「えこひいきしている」ようなニュアンスがありますよね。 |
Chris: So this phrase 肩を持つ sounds like "to support someone based on one's sentiment rather than for objective or logical reasons. |
Naomi: 例えば、私は弟がいるんですけど、昔、私と弟がけんかをすると、母は弟の味方ばかりします。弟が悪くても、弟の味方をするんですね。こんな時はなんて言います? |
Natsuko: 「母は、いつも弟の肩を持つ。」 |
Chris: ま~、お母さんは息子がかわいいですからね。しかたないですよね。でも、お父さんはなおみさんの肩を持ったでしょ? |
Naomi: あ~、どうだろうな。よく覚えてないですけど。あ、「おばあちゃん (祖母) はいつも私の肩を持ってくれましたね。 |
Natsuko: うん、おじいちゃんやおばあちゃんは、孫の味方ですよね。 |
Outro
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Naomi: それではまた、次回! |
Natsuko: それでは、また。 |
Chris: See you! |
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