INTRODUCTION |
Natsuko: こんにちは、なつこです。 |
Naomi: なおみです。 |
Anthony: Anthony here. Talk about emotion in Japanese: I feel sorry for him! |
Natsuko: このレッスンは中上級日本語講座第三シーズン第23課 |
Naomi: 今回は、ボキャブラリービルディングのレッスンですね。単語や、表現を増やしましょうというレッスンです。 |
Natsuko: 今回は「情」を使った表現を紹介します。 |
Anthony: In this lesson, you'll learn some expressions using 情. 情 means "feeling", "emotion" or "mercy." |
Naomi: 今回のお話は一組の夫婦の会話のようですね。 |
Natsuko: 旦那さんと奥さんの会話ですが、この奥さんは専業主婦のようですね。旦那さんがいない間に何かを買ってしまったようですよ。 |
Anthony: This conversation is between a husband and a wife. It seems like the wife is a homemaker. She bought something while her husband was away. |
Natsuko: 夫婦の会話ですから、カジュアルな会話です。 |
Anthony: Since it's a conversation between a married couple, you'll hear casual Japanese. |
Naomi: 奥さんは何を買ってしまったんでしょうね。 |
Natsuko: 気になりますね。 |
Natsuko: じゃ、早速聞いてみましょう。 |
Anthony: Let's listen to the conversation. |
DIALOGUE |
夫:あれ、何、この水? |
妻:それね、昼間、セールスの人が来て、契約しちゃったの。 |
: サーバー代はサービスだって言うし、ペットボトルの水を買うより安上がりだって言うからいいかなって思って。。。 |
夫:そんな、セールストークに引っかかって、情けないなぁ。 |
妻:それに、その人、青森から出稼ぎに来ていて、今月あと10件、契約を取らないと、お正月に田舎にも帰れないって言うのよ。 |
: つい、情に流されちゃってね。 |
夫:情につけこむのは、押し売りのよく使う手じゃないか。 |
妻:私、そういう話を聞いちゃうと、どうしても薄情なことできないのよ。 |
: だって、私の父は、特に情に厚い人だったでしょ。 |
夫:まぁ、確かに、君の、お父さんは、義理と人情を大切にする人だったな。 |
: 不景気になっても、従業員の首を切らずにがんばっていたよね。 |
: でも、結局、会社つぶれちゃったじゃないか。情にもろいのも問題だよ。 |
妻:そうね。私も、父に似て、情にもろい面もあるわね。 |
: そういえば、あなたと付き合う前、雨の日も風の日も、毎日私の家に花を届けてくれたでしょ。 |
: その姿をみて、つい、情にほだされて付き合うことにしたんだったわ。。。 |
Natsuko: 次は英語が入ります。 |
夫:あれ、何、この水? |
: Hmm? What's with this water? |
妻:それね、昼間、セールスの人が来て、契約しちゃったの。 |
: Oh, that. This afternoon, a salesman came by and I signed us up. |
: サーバー代はサービスだって言うし、ペットボトルの水を買うより安上がりだって言うからいいかなって思って。。。 |
: He said he'd give us the water server free of charge, and that it was cheaper than buying water by the bottle. I thought it might be a good idea. |
夫:そんな、セールストークに引っかかって、情けないなぁ。 |
: Oh, how pathetic; I can't believe you got duped by that sales talk. |
妻:それに、その人、青森から出稼ぎに来ていて、今月あと10件、契約を取らないと、お正月に田舎にも帰れないって言うのよ。つい、情に流されちゃってね。 |
: And the man said he had come all the way out here from Aomori to work, and if he didn't get ten more contracts this month, he wouldn't be able to go home for the New Year's holidays.I just felt sorry for him. |
夫:情につけこむのは、押し売りのよく使う手じゃないか。 |
: Well, you know that using emotion to manipulate people is a common forceful sales tactic. |
妻:私、そういう話を聞いちゃうと、どうしても薄情なことできないのよ。 |
: But when I hear things like that, I just can't give people the cold shoulder. |
: だって、私の父は、特に情に厚い人だったでしょ。 |
: Oh, you know how caring about others my father was. |
夫:まぁ、確かに、君の、お父さんは、義理と人情を大切にする人だったな。 |
: Yeah… Well, that's true; your father was someone who placed a lot of importance on duty and compassion. |
: 不景気になっても、従業員の首を切らずにがんばっていたよね。 |
: Even in bad economic times, he stuck it out and didn't fire his employees. |
: でも、結局、会社つぶれちゃったじゃないか。情にもろいのも問題だよ。 |
: But in the end, the company did go under. Allowing yourself to be too influenced by emotion is also a problem. |
妻:そうね。私も、父に似て、情にもろい面もあるわね。 |
: Yes, I suppose. I may be a little too emotional like my father. |
: そういえば、あなたと付き合う前、雨の日も風の日も、毎日私の家に花を届けてくれたでしょ。 |
: Hey, come to think of it, before we started dating you used to deliver a flower to my house every day, rain or shine. |
: その姿をみて、つい、情にほだされて付き合うことにしたんだったわ。。。 |
: I was so moved by the gesture that I decided to start dating you. |
POST CONVERSATION BANTER |
Natsuko: 結局、買ったのはウォータークーラー みたいなもののようですね。 |
Anthony: こういう、Door to door sales というのは、今、日本で、大きな問題になっているんですか。 |
Naomi: 今よりは、昔のほうが大きい問題だったように思います。もちろん、まだまだ こうゆう訪問販売 Door to door salesの問題はありますが、今は、だんだん法律ができていますから、前よりは、ましになっているっていう感じはしますよね。アメリカではどうなんですか? |
Anthony: まあ、アメリカはほとんどないですね、これは。ちょっと昔の設定になっている映画ですとか、その中では見られますけれども。たぶん、効率が悪くてやめたんじゃないですか。 |
Naomi:一軒一軒が離れているからね。 |
Natsuko:今、ネットとかで物が売れる時代ですもんね。 |
Natsuko: まあ、そういうDoor to Door salesが全部悪いとはいいませんけど、「買ってくれるまで、帰らない・・・」とか、もっと怖い脅迫をするケースもあるみたいなので、問題になるんですよね。 |
Naomi: 犯罪につながるケースも、まれですけどありますからね。ちょっと調べてみたところによると、今は、あまり、しつこいセールスの場合には、警察に連絡しても、警察は対応してくれるようです。 |
Anthony: でも、しつこいといえば、旦那さんも奥さんと付き合う前「毎日、うちに花を届けてた」っていうのもありましたけれども、これも、一つ間違えると、ストーカーですよね。 |
Naomi: あ、確かにそうですよね。雨の日も風の日もですからね。熱心ですよね。 |
Natsuko: これはされたほうが、どう受け取るかですよね。「そんなに、私のことを思ってくれるのね~嬉しいな」ってなるか、「しつこいなぁ、迷惑だなぁ」と取るか。 |
Anthony: なつこさんなら、どっちで取りますか? |
Natsuko: それはもう人によりますよね。 |
Naomi:では、単語に入っていきましょう。 |
VOCAB AND PHRASE USAGE |
Anthony: Let's have a closer look at the usage for some of the words and phrases from this lesson. |
Naomi: まず最初の単語は。 |
Natsuko: 押し売り |
Anthony: high-pressure salesmanship, coercive sales |
Natsuko: 押し売りは もともと、二つの動詞 verbからできていますね。 |
Anthony: 押す to push 売る to sell つまり[押し売り]は "to Push someone to buy something" "To force someone to buy " という意味になりますね。 |
Naomi: 簡単にいうと、相手が [要りません]て言っているのに、無理に買わせるっていうことですね。 |
Natsuko: これは比喩 metaphorとしtも使えますね。 例えば、「親切の押し売り」 |
Anthony: hard sell the "kindness" or to push kindness |
Naomi: 親切の押し売りっていうのは、相手は「そんなことしなくていいです」といっているのに、親切にする。相手が「正直、迷惑だなぁー」と感じているんですね。 |
Natsuko: 今回の会話のように、個人の家にいって、セールスをするのを、「訪問販売」という場合もあります。 |
Anthony: 訪問はto visit 販売はsales 訪問販売は Door-to-door selling ですね。 |
Naomi: 押し売り も同じことですが、押し売りの方が、「迷惑」な感じだし、ちょっと強引な感じがしますね。 |
Natsuko: 訪問販売はもっとニュートラルな言葉です。ですから、新聞やテレビのニュースなどでは、訪問販売という言葉が使われますね。 |
Naomi: では、次の単語をお願いします。 |
Natsuko: 出稼ぎ |
Anthony: set out to earn money |
Natsuko: 家や、故郷を[出て]、[稼ぐ] |
Anthony: Leave one's home or hometown to earn money |
Natsuko: 出稼ぎの目的は「稼ぎ」つまり「お金」だけなんです。キャリアアップとか、ビジネスチャンスとかを求めて、都会big city に行くという、そういうpositive な意味ではないんですよね。 |
Naomi: 極端なことを言うと、田舎 country sideには仕事がないですよね。 |
Natsuko:そうですね、あってもあまりお金を稼げなかったりするんですよね。 |
Naomi:家族も、自分の家も、田舎にあるから、本当は、東京なんか行きたくない 興味なんか東京にはない。だけど、お金を稼ぐために、東京に行きます。ということです。 |
Anthony: 悲しいですね That’s so sad... |
Naomi: 愛する家族から離れて、お金のために大きな都市で働く・・・それが[出稼ぎ]のイメージだと思います。だから「青森から出稼ぎに来ている」って言われて、情に流されたんでしょうね。 |
Natsuko: その「情に流される」・・・がこのレッスンのテーマですね。 |
Naomi:はい。では、文法に入りましょう。 |
Lesson focus
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Naomi: このレッスンのテーマは 情 |
Natsuko: これ、前に、「薄情」とか「友情」とかといった言葉を紹介したときに、説明したと思うんですけど、情というのは、場面によって、意味が変わる言葉です。「愛」love という意味だったり、情熱 passion という意味だったり、「気持ち」という意味だったり、あるいは、「何かをかわいそうだなと思う気持ちだったり」します。 |
Anthony: Jō (情) is a word that refers to human emotions and shows up in such words as 友情 (friendship) and 愛情 (love). It also carries the meaning of feeling sorry for someone, or having one's heart go out to someone. |
Naomi: 今日のダイアログの中には、「情」を使った表現が6こ入っていました。いくつか確認してみましょう |
Natsuko: 情に流される |
Anthony: be swayed by one's emotion |
Naomi: 「情に流される」というのは、「誰かをかわいそうだな・・・と思う気持ちに負けた」ということですね。出稼ぎをしている。。。というおじさんの話を聞いて、奥さんは「情に流された」んですね。それを聞いて、旦那さんはどんなコメントをしてました? |
Natsuko: 情につけこむのは、押し売りのよく使う手じゃないか。 |
Anthony: "Well, you know that using emotion to manipulate people is a common forceful sales tactic." |
Natsuko: 情につけこむ |
Anthony: to take advantage of someone feeling sorry for you.つけこむ が to take advantage という意味ですね。 |
Naomi: それから、「人情」という言葉も出てきましたね。 |
Natsuko: この場合の情は「気持ち」という意味で、人情は「人の気持ち」 という意味ですね。 |
Naomi: ダイアログにはどのように使われていました? |
Natsuko: 君のお父さんは、義理と人情を大切にする人だった |
Anthony: your father was someone who placed a lot of importance on duty and compassion. |
[義理と人情] duty and compassion はよく使われるフレーズですね。義理は、duty とか social obligation で, 人情は compassionとか human feeling です |
Naomi: 英語にすると、結構すっきりしますね。簡単に言うと、人が生まれたときから、持っている感情とか、気持ちとかが 「人情」 人と生活をしていく中で、だんだん学んでいくもの、ルールとか、常識とかが「義理」なんですね。 |
Natsuko: 義理と人情に厚い |
Anthony: deep sense of loyalty and are compassionate あと、「義理と人情の板ばさみ」なんていうのもありますね。 |
Naomi: よくしっていますねぇ、アンソニーさん。普段どんな日本のドラマを見ているんですか? 板ばさみは、前にも紹介しましたよね dilemma とか go betweenという意味です。 |
「義理と人情の板ばさみ」 ていうと、英語だとどんな意味になります? |
Anthony: to be trapped between sense of obligation and one's feeling |
Naomi: なつこさん、これは例えばどんな状況で使えますか? |
Natsuko: ま、簡単な例は、例えば転職のときなんかですかね。たとえば、自分はキャリアアップのために転職をしたい。でも、今の会社の社長には自分はとてもお世話になった。 |
Naomi: キャリアアップのために、転職したい・・・これは本当の自分の気持ちつまり |
Anthony: 人情 |
Naomi: 社長にお世話になった・・・これは、義理 |
Natsuko: 義理人情っていうのはなかなか説明するのが難しいんですけれども、簡単に例をあげれば、こんな感じだと思います。 |
Outro
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Natsuko: それでは、今日はこの辺で。 |
Naomi: じゃまた。 |
Anthony: See you next time. |
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