Dialogue

Vocabulary (Review)

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Lesson Transcript

「京都のお茶漬け」という有名な言葉がある。
京都で「中へ入ってお茶漬けでもどうぞ」と言われたら、それは「さっさと帰れ」の意味だ。
さすがにこれは極端な例だが、日本でのビジネスにおいても、似たようなことは往々にしてありうる。
「前向きに検討します」「またご一緒しましょう」「近くまでおいでの際はお立ち寄りください」などといった言葉は、かなりの高い確率で、「社交辞令」だと考えた方がいい。
つまり、本気にしてはいけない。
なぜなら、相手に面と向かって、「お断りします」「無理です」「帰れ」とは言いにくいと感じる日本人は多いからだ。
まさに、「NOと言えない日本人」である。
断りたい場合、言い方によっては、相手がしつこく食い下がってきたり、逆恨みしたりと面倒なことにもなりかねない。
そこで、「前向きに検討する」という含みをもたせた表現を使う。
そうすれば、こちらの印象を損なうこともなく、和やかな雰囲気で別れることができる。
だが後日届くのは、これまた「残念ですが」という社交辞令つきの「お断り」の返事である。
もちろん、大抵の場合「残念だ」などとは露ほども思ってはいない。
同様に、「二度と顔も見たくない」相手だとは思っても、「またご一緒しましょう」「どうぞお立ち寄りください」と言葉を交わすのが、大人の対応というものである。
しかしその一方で、真剣に検討してくれたり、再会や訪問を心から喜んでくれたりする場合もあるから、ややこしい。
日本人同士でも、相手の言葉が単なる社交辞令か、本気で言っているのかを察するのは難しい。
したがって、こうした言葉を本気で言ってもらえるような信頼関係を築くことが、何よりも大切なのである。

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