Dialogue

Vocabulary (Review)

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Lesson Transcript

いま、物流業界が悲鳴をあげている。
大手宅配業者ヤマト運輸の労働組合は、2017年の春季労使交渉において、宅配便荷受量の抑制を会社側に求めた。
つまり、「もう、運べない」という切実な状況に追い込まれているのだ。
こうした事態に追い込まれた要因はいくつか考えられるが、一番の原因はやはりインターネット通販の拡大であろう。
Amazonをはじめ、各種ECサイトの爆発的な増加により、「早く」「安く」の競争が激化した。
正午までに注文すれば、翌日着くのは当たり前、その日の夕方に品物が到着するなどというサービスを謳う店も珍しくはない。
スマホやタブレットの急速な普及は、比較検討が容易なネット通販に拍車をかけ、販売競争を激化させた。
さらに送料無料を求める消費者への迎合は、宅配業者の利益を圧迫し、従業員に低賃金と過重労働を課す事態へと陥っていったのである。
人手は限られているのに、荷物は激増、加えて再配達等のサービスの提供は、従業員を肉体的にも精神的にも追い込んでいった。
過酷な職場に見切りをつけて辞めていく従業員、その補充はもちろん容易ではない。
こうして臨界に達した宅配業界が、サービス内容や従業員の勤務について見直しをするに至ったのは、必然であろう。
宅配料の値上げや、従業員にフレキシブルな働き方を認めるなど、ヤマト運輸などは改革に乗り出している。
その一方で、利用する側も、宅配ボックスを設置するなどして、再配達にならないよう配慮するなど、良識ある利用が求められている。
過剰サービスの競争に陥った宅配業界と、それに慣れ切った消費者とが、ともに課題解決に向けて取り組む必要があるだろう。

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