天狗
昔、昔、ある 所 に、せんた と 言う 男の子 が 住んで いました。
ある 時、 せんた は 竹 で 編んだ、 弁当箱 を 持って、 岡 の 上 に 遊び に 行きました。
弁当 を 食べた せんた は、 弁当ばこ を 目 に 当てて、 遊び 始め ました。
「やあ、 すごい ぞ。 京都 が 見える。 大きな
御殿 が 見える ぞ。 あっ、 あれ は 何だ? お寺 かな」
せんた は そんな こと を 言い ながら、 暫く 遊ん でいました。
せんた の 直ぐ 後ろ の 大きな 木 の 上 に、 天狗 が いて、 これ を 見て いました。
せんた が 余りにも 面白 そうに している ので、天狗 は せんた の 弁当箱 が 欲しく なり ました。
「おい、 ぼうず、 其奴 を おれ に くれ」
天狗 は、 我慢 できなく なって、 木 から 降りて せんた に 頼みました。
「あれ、 あそこ に ある の は、 何 だろう。」
でも、 せんた は、 知らん振り して、 弁当箱 を 除いて います
「そうだ、 この 隠れ 蓑 を 貸して やる から、 それ を 貸して おくれ よ」
天狗 は、 そう 言って、 せんた に 隠れ 蓑 を 渡して、 弁当箱 を 借りました。
せんた は、 天狗 に 弁当箱 を 渡す と、 早速 それ を 着ました。すると、あっと言う間に 姿 が 見え なく なり ました。
天狗 は、 弁当箱 を 除いて 見ました が、 何 見え ません。
「おい、 騙した な。 何も 見えない じゃないか」
でも、 隠れ 蓑 を 着た せんた は、 もう 見え ません。
「やい、 狡い ぞ、 隠れ 蓑 を 返せ」
天狗 は、 怒って 言い ました が、 せんた は 姿 を 消した まま、 逃げて しまいました。
せんた は 家 に 換えって、 お母さん に 声 を かけ ました。
「お母さん、 今 換えった よ」
「おや、 せんた の 声 が した けれど、 どこに いるんだろう」お母さん が いくら 見ても せんた の 姿 ありません’
「これ は いい や。 ほんとに 誰にも 見え なく なった ん だ」せんた は、 大喜び して、 早速 悪戯 を 始めました。
お店 の お菓子 を 盗ん だり、いつも 叱る 小父さん に 石 を 打付け たり、 小父さん の 盆栽 を 壊し たり。
でも、 誰にも 見つかり ません。
散々 悪戯 を した せんた は、 満足 して 家 に 帰る と、 隠れ 蓑 を 箪笥 の 奥 に しまい ました。
ある 日、 お母さん が 箪笥 の 中 の 隠れ 蓑 を 見つけ ました
「おやおや、 汚い みの だね。 燃やして しまおう
お母さん は 隠れ 蓑 を 燃やして しまい ました。
「お母さん、 箪笥 の 中 の 蓑 を 見なかった かい」 帰って 来た せんた は、 お母さん に 聞き ました。’
「ああ、あんまり 汚い から、 竈 で 燃やして しまった よ」
それ を 聞 いた せんた は、 体 を 水で 濡らす と、体 中 に 隠れ 蓑 の 灰 を 塗り付け ました。
すると、 せんた は また 見え なく 成りました。
せんた は そのまま 外 に 走り出る と、 近く の 茶店 で、 団子 を 盗み ぐい し、 お茶 飲みました。
すると、 口 の 周り の はい灰 が 取れて、口 だけ 見える ように 成り ました
「うわ。 口 の 御化け だ」 茶店 の 主人 は、 吃驚 して 叫び ましたその 声 を 聞いて、 町 の 人達 が 集まって 来ました。
せんた は、 その 時 おしっこ が したく 成り、 おちんちん も 見える ように 成り ました。
「わっ。 口 と おちんちん の 御化け (おばけ) だ」
口と おちんちん が みえる ようになった ので、 皆 せんた を 追い掛け ました せんた は、 一生懸命 逃げました が 等々 川 の 所 まで 来て、 逃げられなく 成り ました。
せんた は、 仕方なく 川 に 飛び込み ました と、 体 に 塗って いた 灰 が 皆 ながれ 塗る、流れる 落ちて しまいました。
「なんだ! せんた だった のか。 この 悪戯 者 め」
とうとう、 正体 が ばれるた せんた は、 お母さん に 散々 怒られ ました。