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Archive for the 'Kanji' Category

Advanced Japanese Lesson:長い信号

「この信号、長いね」 「えっ? どこどこ? 何メートルくらい?」 これは、私の知人とその娘さんの会話です。 ある日、知人は後部座席に娘を乗せて運転していました。広い道路を横断するために信号待ちをしていたのですが、その信号機がなかなか変わりません。そこで、前述のように呟いたのです。 この場合、「長い」は時間的な長さを示しています。つまり、「この信号機は赤から青に変わるまでの時間が長い」と言いたいのですね。しかし、娘さんは「信号機の横幅が長い」と誤解して驚いたのです。 さらに「長い」という形容詞には、抽象的な使い方もあります。 例えば、「気が長い人」という表現。あなたはどのような人物を想像しますか? 「気」すなわち「気持ち」は目に見えませんから、長さを測ることは不可能です。ただ、時間的に長い、ゆとりがあってのんびりしている様子をイメージすることはできるでしょう。だから、「気が長い人」とは「焦らず、ゆったりとしている人、悠長な人」という意味になるのです。 さらに「長い目で見る」という慣用句はどうでしょう。顔からはみ出すくらい横に長い目?…現実離れしていますね。これは「今の時点だけで判断せず、将来を期待して気長に見守る」という意味です。 さて、「長い手紙」と表現された場合は? もちろん、便箋が横あるいは縦に長いのではなく、文章量が多い手紙を意味していますね。 ===== “This is a long light.” “Oh? Where, where? About how many meters?” This is a conversation between a friend of mine and her daughter. One... Show more

Advanced Japanese Lesson: 街を行き子どものそばを…

街を行き 子どものそばを 通るとき みかんの香(か)せり 冬がまた来る 木下 利玄(きのした りげん) 今回は初冬の短歌を紹介しましょう。 あなたは、冬の訪れを何で感じますか。作者は、ふとかいだミカンの香りで季節の移り変わりを意識しています。 街を歩いていた作者は、子どものそばを通りかかりました。そのとき、作者の鼻腔に漂ったのはミカンの香り。「香せり」とは「香りがした」という意味です。 作者がすれ違った子どもは、少し前に甘酸っぱいミカンを食べたのでしょう。その残り香から「あぁ、冬がまた来るんだなぁ」と感じた、という短歌です。 ミカンは漢字で「蜜柑」と表記します。 「蜜」の文字をよく見ると「虫」が書かれていますね。この漢字には「蜂が花から集めて、巣の中に封じ込めた甘い液(はちみつ)」という意味があります。このことから転じて、「はちみつのように甘い」という意味が生じました。 次に「柑」の文字ですが「木」が「甘い」と書きます。「甘」という漢字には「おいしい」という意味もあり、「柑」は「おいしい実のなる木、ミカンの木」を表わしています。 夏は高温多湿でも冬は比較的低温になる、という日本の気候は、ミカンの栽培に適しているため、ミカンは日本で多く食べられる果物の代表です。 日本人が抱く冬のイメージには「こたつに入ってミカンを食べる」という場面が必ず挙げられるほど、ミカンは冬を想起させる果物なのです。 ===== When passing by a child while I was in town, there was the scent of mandarin oranges. Winter is coming again. ... Show more

Advanced Japanese Lesson:手塩にかける

料理に欠かせない調味料の一つに、「塩」があります。塩は、古来から様々な食材をおいしくするだけでなく、「聖なる力を持つもの」として魔よけや病気の治療、美容法にも取り入れられていますね。 今回は、この「塩」を含む慣用句を紹介しましょう。 「手塩に掛ける」という言い回しを聞いたことがありますか? 意味は「まだ相手が何も分からない頃から、いろいろと世話をして大切に育てること」。「手塩に掛けた娘が嫁いでいった」などと使います。 さて、「手塩」とは食卓に添えられた少量の塩の呼び名で、味加減を自分で調えられるように置かれていたそうです。ここから転じて、「自ら面倒をみる」という意味になったのですね。 室町時代の文献に「手塩」の語は見られ、元々は食卓の不浄を払うために小皿に盛って出す習慣から生まれた表現のようです。「手塩に掛ける」という用例は江戸時代から見られるそうですが、別の説もあります。 その一つが、「ぬか漬け」という漬け物を作る際、醗酵が早くすっぱくなりがちなぬかみそ樽に、毎日一つかみの塩とぬかを入れて練り合わせ、おいしい漬け物ができるようにと手入れを怠らない様子から生まれたという説。また一説には、海水から塩を精製するときに丸二日間も煮詰めるという製塩法が、とても重労働かつ手間ひまがかかるので、その様子から生まれたことばであるとのこと。 このように、身近な物はことばとしても表現の中に残りやすいものですね。 ===== Salt is an essential flavoring for cooking. Not only has it been used to make food delicious since ancient times,... Show more

Advanced Japanese Lesson: 一枚、二枚

日本語で紙や板、皿はなんと数えますか。 そうです、「一枚、二枚…」と数えますね。薄くて平面的なものを数えるときは「枚」を使います。 お金の単位は「円」ですが、硬貨や紙幣として捉えたときには「一枚、二枚」と数えます。 では、ざるそばはどうでしょう。 店で注文するときには「ざるそば、一つ(一人前)」と言えば通じます。しかし、実はこれにも「枚」が使えるのです。 そば自体は「ひとすじ、ふたすじ」や「一本、二本」と数えるのですが、一人前の分量になると「一玉(ひとたま)、二玉(ふたたま)」と数え方が変わります。 さらに、そばを茹でて丼に入れ、調理した状態になると「杯」で数えますよ。コーヒーやジュースと同様に、液体が容器に入っている状態のものは、「一杯、二杯」と数えますから、「かけそば一杯」とか「きつねそば二杯」などと表わします。 しかし、ざるそばは茹でて水を切ったそばがざるに乗っているものなので「杯」は適しません。そこで、そばが乗っている「ざる」に着目して、そのざるを数えるのです。ざるは皿の類ですから、「一枚、二枚」と数えるのですね。 さて、「枚」で数える意外なものに「田」と「畑」があります。勿論、広さを表わす「平方メートル」や「ヘクタール」も使いますが、区切られたその一画は「一枚、二枚」と数えるのです。 また、一尾(いちび)の魚を薄い三つの部分に切り分けることも「三枚におろす」と言いますよ。 ===== How would you count paper, boards, or plates in Japanese? Right, you would count it as "ichi-mai, ni-mai or one sheet,... Show more

Advanced Japanese Lesson: すみません

「すみません」 このことばは、場面によって様々な意味に解釈できるので注意を要します。 では、具体例を挙げてみましょう。 あなたは満員電車に立って乗っています。揺れた拍子に、隣の人の足を踏んでしまいました。「すみません」 このときは謝罪の意味で使っています。別の表現に言い換えると「ごめんなさい」ですね。 次の駅に着く直前、前に座っていた人に席を譲ってもらいました。「すみません」 これは感謝の意。「ありがとう」と伝えています。 席に座ってしばらくすると、隣の席で眠ってしまった人が、あなたの肩にもたれかかってきました。「すみません」 これは「起きてください」と注意を促す意味で用いられています。 目覚めた隣の人が「すみません」と謝罪すると、あなたも「いいえ、すみません」。 「たいしたことないですよ」という意味で再び「すみません」を繰り返します。 目的の駅に着いたあなたは、改札口がどちらか分かりません。そこで、駅員に「すみません」 これは、「尋ねてもいいですか?」という意味で使っています。 約束の時間五分前に待ち合わせ場所に着いたあなたは、相手が既に到着していることに気づきます。 あなた「お待たせしてすみません」(謝罪) 相手「いえいえ、こちらこそわざわざ来てもらってすみません」(感謝) あなた「いいえ、いつも連絡をいただくばかりですみません」 相手「なになに、急かしているようですみません」…。 このように、日本語では「すみません」という語を大変便利に使っているのです。 ===== Sumimasen You need to be careful with this word because depending... Show more

Advanced Japanese Lesson: いくたびも

いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規(まさおか しき) 今回、紹介するのは冬の俳句です。「雪」という文字が見られるので、冬の情景を詠んでいることがすぐに分かりますね。 作者の正岡子規は明治時代を代表する文学者で、俳句だけでなく、短歌や評論などにも豊かな才能を開花させた人です。 この俳句の意味は、「何回も雪の深さを尋ねていることだなぁ」。 実は、この俳句が作られた日は東京に大雪が降ったそうです。しかしそのとき、子規は病床に臥せっていました。だから、窓の外では雪が降っているのに自分の目で見にいくことができません。そこで看護にあたっていた母や妹に「今、雪はどれくらい積もっただろうか」と何度も尋ねたのだそうです。 本格的な冬の到来を告げる雪ですが、初めて降ったり久しぶりに降ったりする際には、大人も子どもも何となく心が弾むものです。そんなわくわくした感じが、病人であった子規の心にも浮かんだのでしょう。戸外で雪が降り積もる様子を想像しては、束の間、病気のつらさを忘れて心を躍らせたのかもしれません。 ちなみに、ペンネームである「子規」は「ほととぎす」とも読み、結核という病気で血を吐いていた自分を「血を吐くまで懸命に鳴く」と言われる鳥の「ほととぎす」にたとえて名づけられました。 ===== Today, I would like to introduce a winter Haiku. The character "snow" can be found, therefore it's easy to tell that it is talking about winter. Shiki Masaoka is a literary... Show more

Advanced Japanese Lesson:午前・午後

あなたがこのブログを読んでいるのは、午前中でしょうか。それとも午後? 今回は時間帯を表わす「午前、午後」の中に隠れている動物を紹介しましょう。 実は、「午」には「うま」という読み方があるのです。もともと「午」という漢字は、上下運動を交互に繰り返して穀物をつく杵(きね)を描いたものです。「杵」は木製なので「木(きへん)」をつけ、右側の「午」で杵の使い方・動きを表わしています。 さて、動物のウマを表わす漢字には既に「馬」が存在しました。それなら、なぜ杵を表わす「午」が「うま」と読まれるようになったのでしょう。その理由は、古代の中国にありました。人々が覚えやすいように十二支に身近な動物を取り上げた際、「午」の文字を「うま」と読むことに決めたのだそうです。 「午」は十二支では七番目にあたり、時刻では十一時から十三時までの二時間を指しています。この二時間のちょうど真ん中は十二時…「正午」ですね。ほら、「うま」が出てきましたよ。時間を数えるときに採用されている十二進法では、前半が終わり後半が始まる数のことを午(ご)と呼びます。縦方向の木と横方向の木が交差して組み立てられている杵のように、時間の概念においても前後の交差する時刻を「午」と表わしたのです。 ちなみに、ウマには角がありません。「午」の文字にもないでしょう。では、ウマに似ていて角が生えている動物は? そうです、「牛」ですね。この漢字は牛の頭部を記号化して作られています。 ===== Are you reading this blog in the 午前 am or 午後 pm? This time around I would like to introduce some hidden... Show more

Advanced Japanese Lesson: 眠りを表わす漢字

人生の1/3を占めるという睡眠。「睡」にも「眠」にも左側に「目」が書かれていますね。 「睡」の右側「垂」は「たれる」という訓読みを持っていて、「まぶたを垂れて(目をつぶって)眠る」という意味です。「眠」には「ねむる」という訓読みがあり、「目をつぶって眠る」という意味。右側の「民」は、目を↑型の針で突く様子を記号化したもので、元来「逃亡を防ぐために目を見えなくした奴隷」を指していたのだとか。ここから、「目が見えない状態となって眠る」という意味を「眠」の文字が担うようになったのです。 「眠る」と似た意味の動詞に「寝る」があります。この二つの動詞はどう違うのでしょうか。 「寝」の部首は「宀(うかんむり)」です。これは屋根をかぶせた家(この漢字にもうかんむりがついていますね)を描いたもので、「室」(「教室」や「室内」などの熟語があり、部屋を表わす)や「宿」(「宿泊」などの熟語があり、訓読みは「やど」)などにもうかんむりが書かれます。さらに「寝」の文字の左下にはベッドを表わす「爿」が簡素化された形で表わされています。つまり、「寝」の文字は「家の中の部屋にしつらえたベッドで眠ること」を意味しているのです。 したがって、「眠」より「寝」の方がどのような状況で眠るのか具体的に表わしているといえるでしょう。さらに、「寝」は眠りに落ちなくても病気などのために身体を横たえて休んでいる状態も表わしています。 === Sleep is said to take up 1/3 of our lives. On the left side of both 睡 sui, and 眠 min, 目 me or “eye” is written. On the right of 睡 is... Show more

Advanced Japanese Lesson: れんが (renga)

「れんが」と呼ばれる部首を知っていますか? 漢字では「連火」と表わし、「れっか(列火)」とも呼ばれます。「火」を表わす記号が漢字の下の部分につく場合、四つの点「灬」になるのです。今日は、この「れんが」を部首に持つ漢字を紹介しましょう。まずは「煮」。 「こんろの上で木を燃やす様子」を記号化した漢字で、「火力を集中して火をたくこと」という意味があります。「にる」と読み、食品に水分を加えて火にかけることを指します。 続いて「蒸」。 「水蒸気」「蒸発」という熟語が示す通り、立ち上る小さな水滴を表わしています。このような湯気を食品に当てて調理することを「むす」と言いますね。「くさかんむり」と「烝(上へ熱気が立ち上る意)」で構成されている「蒸」は、もともと草が上へ上へと盛んに伸びることから転じて「むす」という意味になりました。 「煮る」も「蒸す」も火を用いて熱を加えることですが、この「熱」の文字にも「れんが」がついていますよ。上部に書かれる「埶」は発音を表わすためのものなので、「熱」の文字が伝える意味は「火」に集約されます。この漢字は「火が燃えて熱いこと」を表現し、やがて火に関係がなくても熱い様子を表現したいときに用いられるようになりました。心がほてって夢中になる様子を「熱中」と表すのは、その例です。 火は人間にとって必要不可欠なものなので、「ひへん」や「れんが」のつく漢字もたくさん生まれました。 ================== Do you know the radical called renga? In kanji, it is written as 連火 and is also called rekka (列火).  Fire is... Show more

Advanced Japanese Lesson:大と太と犬

「大」と「太」と「犬」。この三つの漢字はとてもよく似ています。それぞれどのような成り立ちで生まれた文字なのでしょうか。 まず、「大」は人間が手足を広げて立っている様子を記号化した漢字です。手を身体につけて立ったり、手足を曲げて座ったりしている姿よりも大きく見えることから、「おおきい」という訓読みや「たっぷりとしてゆとりがあるさま」という意味を持つようになりました。 次に、「太」は「大」の文字が「たっぷりと、ゆとりがある」という意味を持つのに類似していて、「たっぷりとふくれている様子」「豊かであるさま」「ゆったり落ち着いている姿」という意味を持っています。しかし、元来は「泰」という文字を使っていました。これの省略した文字として「太」という漢字が使われるようになったのです。「泰」の文字は中央下に「水」を表わす記号を書き、その周囲に「両手」を表わす横線と「大」を加えることで成り立っています。つまり、「両手でたっぷりと水を流す様子」を示しているのです。「大」という部分は「たっぷりと」という意味だけでなく「タイ」と読む発音も表わしています。 最後に、「犬」です。これは後ろ足二本で立っている姿を記号化したもので、右上の「、」は耳を表わしています。だから「大」や「太」とは関連がありません。ちなみに、「ケン」という読み方は犬の鳴き声を真似した発音です。 =========== 大 “big”,  太 “fat” and 犬 “dog”. These three kanji look very similar. How did each character come about to be. First, the character 大 came from... Show more